くまくま姉さんのひとりごと 

バツイチ50代バブルの生き残りが、恋愛・結婚・離婚について語ります。悩める方も、そうでない方も、楽しんでいただけたら嬉しいです!

「オヤジくんが、いつもお世話になってますぅ」

OL時代の一時期、ちょっと変わった人が上司になりました。若手で仕事バリバリ、元気で明るい、愛嬌があるので上層部にも可愛がられているし、後輩の面倒見がよい。でも、
どこか計算高くて、裏工作に励んだり、社内政治に敏感だったり。小心者な部分もある。
それに、基本的に自分が大好きで、自分軸のしっかりしたワガママな人でした。


そんな上司・T部長と部員数名で飲み会にいった時のことです。私の隣に座る上司が
携帯電話を取り出し、誰かに電話をかけ始めると、おもむろに私に携帯を差し出しました。
「くまくま🧸ちゃん、ちょっと代わって」


飲み会の最中に、電話する?しかも、私に代われって?そもそも、相手は誰なのよ。
そんなことを思いながら、しぶしぶ携帯を受け取り、電話に出ることにしました。
すると、いきなり若い女性の嬉しそうな声が響きました。


「もしもしぃ?くまくま🧸ちゃん?明菜ですぅ。」
なんか馴れ馴れしいよね、初めて話すんだよね?
「オヤジくんが、いつもお世話になってますぅ」
オヤジくん、って、誰よ?
「くまくま🧸ちゃん、私と同い年なんですよねっ」
どうして知ってるのよ?
「オヤジくんのこと、心配で心配で。気になってたまらなかったのぉ。でも安心したぁ。
 くまくま🧸ちゃんがいてくれるんだも~ん!オヤジくんのこと、頼みますぅ」
いやいやいやいや、仕事ですから!お世話するのは、仕事上でですからっ!!


通話を終えると、上司が語りだしました。
「本当は、明菜ちゃんと一緒にどっか行っちゃおうかな、って思ってたんだよね。
 でもさ、A子(奥様です💦)がいるじゃない?A子は、可愛いB子とC男(娘さんと
 息子さんです💦)を産んでくれた人だからさ、やっぱり無下にはできないじゃん。
 だから、泣く泣く別れたんだよね。でも、別れる時に200万円渡したんだよ。
 ごめんね、お嫁さんにできなくて、って謝ってさ。男の真心だよ。誠意だよ」


瞳をウルウルさせて、遠い目をして上司は語っています。私は、鼻で笑ってしまいます。
明菜ちゃんと一緒に、地の果てにでも行けばよかったのに。そうすれば、私がT部長の
部下にならなくて済んだのに。この人の部下やるの、大変なんだぞっ!(怒、怒、怒)


数年後、T部長は、奥様にたんまりと慰謝料を分捕られて、自宅まで明け渡し、ご本人
いわく「円満に」離婚されたそうです。そして、そのまた数年後、明菜ちゃんではない
若い女性と再婚されたんだとか。


新しい奥様も、T部長のことを「オヤジくん」と呼んでいるのでしょうか。

今日は、甘いもの、ではなく、お肉🍖を。くまくま🧸作、チャーシュー🐷
ポイントは、美味しいお肉を選ぶこと!これに尽きます(笑)
チャーシュー丼にするのが一番のオススメです😊白髪ねぎ、ブロッコリースプラウト、
温泉卵を添えて、特大の器で、がっつりと💓


くまくま🧸姉さん

だって、チュー💋できないから!

OL時代、会社の飲み会や合コンのあとには、よくこんな話をしていたものでした。
M先輩「〇〇さんの、どこがダメなの?いいひとなのに・・・ 」
私「え~。そりゃあ、いいひとかもしれないけど・・・」
Kちゃん「けど?けど、何?」
私「・・・〇〇さんと、チューできない・・・」
Kちゃん「・・・なんだ、それ?」
Uちゃん「あ、わかる!たしかに~!私も無理!〇〇さん、チューできな~い」


大学では、クラスにもサークルにも、男の子はたくさんいました。会社にも、同年代の
男性はたくさんいます。友達や同僚の紹介、合コン、お取引先の方、出会いもあります。
でも、なかなか「このひと!」に、巡り合えない。悪くはないけど、良くもない。ピンと
こない。ときめかない。何かが違う。それを、ひとことで表すのにピッタリなんです。
「だって!チューできないから!」っていう言葉が。


私は、冗談半分で、でも、ちょっとだけ(かなりの?)本気を交えて、よくこの言葉で、
自分の意思を伝えていました。周りのみんなも、面白がって、この言葉を使っていました。
でもね、面白がるような言葉じゃないんですよ。結構、的を得ていたりするんです。


私が結婚生活に疑問を持ち始めた頃の、ある日のことです。夫婦ですから、いろいろと
あるわけですよ、いろいろと。夕食後、ワインを飲みながらテレビを観ていた時、手元の
ワイングラスが奪われたかと思ったら、テレビの画面を遮って、大きな顔が目の前に、
ぬうっと不気味に迫ってきていたんです。
「うっ!うぎゃあっ!」


私はワインを飲みながら、テレビに集中していましたが、人間の危機管理能力ってバカに
できないんです。何が起きているのか一瞬で理解した私は、光の速さで反応しました。
反応しちゃったんです。そうです、チュー💋しようと迫ってきた夫の顔を、思いっきり
避けるべく、高速でブンッと顔を背けたんです。首がもげそうなくらい、ブンッと。
(あっ、マズイ!私、なんてことしてるんだろう💦)


一瞬、部屋の空気が凍ったように思えましたが、そこは口八丁な私のこと、
「ごめーん、ワインを味わってて、飲み込んでなかったの、テヘッ」
と、笑ってごまかして、テレビの続き見たあとでね、とかなんとか言って、その場を
しのいだのでした。そして、テレビの画面を見つめながら、OL時代に自分が言っていた
言葉を思い出していました。「いいひとなんだけど、チュー💋できない」


今の私は「自分のダンナだけど、チュー💋できない 」だよね・・・。
なんてブツブツひとりで言いながら、自分のとっさの行動に、驚くと同時に感心して
いました。いろいろ悶々と考えていたけれど、なあんだ、自分の気持ちは決まっている
んだな、って。結婚生活に疑問がある、って、そんな状態じゃないじゃない。もっと、
先に進んでいるじゃない。意識の水面下では、ちゃんと決まっているじゃない。
だって、チュー💋できないんだもの。思いっきり、避けちゃうくらいなんだもの。


たかがチュー。されどチュー。チューは大事なんです。

っ今日の甘いもの。くまくま🧸作、洋梨のタルト🍐まわりは粉糖でお化粧してみました。

ピスタチオを刻んで、さらにおめかし✨秋らしい一品は、温か~い紅茶がオススメです😋


くまくま🧸姉さん

朝礼講話  ~私には二つの家族ができました~


私がOL時代に勤めていた会社は、9時からの始業でした。毎朝、9時ぴったりに部ごとの
朝礼が始まるので、9時5分前には朝礼の準備、1分前には所定の位置に整列するので、
始業ぎりぎりに駆け込み出社する社員なんてゼロでした。


その日は、朝礼後の社内が、何となくザワついていました。私の所属する部と同じフロアの、エレベーターホールを挟んだ向かい側のS部が、ザワザワの発生源のようでした。
「どうしたんだろうね」 同僚たちと顔を見合わせていましたが、お偉いさんたちからの
お達しも何もなく、しばらくするとザワザワも収まったので、いつもどおりにバタバタと
忙しく仕事をしていました。


そして、みんな大好きなランチタイムがやってきました。
社食でメニューを見ていたところ、A子に声を掛けられました。A子は、ちょっと前まで
同じ部にいた仲の良い同僚で、いまはS部に異動になっていました。
「くまくま🧸ちゃん、いいところに!!たまには一緒に食べようよ、ねっ!」
A子に誘われ、同じ部のランチ仲間に断って、A子とふたりで食べることになりました。


「ねえねえ、聞いてよ!今日の朝礼!すっごいことがあったんだよ!」
A子は、席に着くなり、すんごい勢いで話しだしました。
「うちの部のU部長、朝礼の最後に爆弾発言したの!『私事で恐縮ですが、このたび
 私には二つの家族ができました。再婚して、新しい家族ができました』だって!」
ぶほぉーっ!頼むから、口に入れてるときに、そんな話しないでよ!
私のことなんか、お構いなしに、A子はしゃべり続けます。
「新しい家族って、U部長の元秘書のHさんだって。お腹に赤ちゃん、いるらしいよ」
ぶほっぶほっぶぶーっ!


「しっかし、部長ともあろう人が、朝礼でそんなこというかねぇ」と、A子がいえば
「うん、ホントだよね。でも、あの噂、ホントだったんだね」と、私も頷きました。
「二つの家族って・・・山崎豊子じゃあるまいし」私がつぶやくと
「それ、祖国だから!二つの祖国ね」A子が突っ込みました。
「知ってるって!」私は笑って言い返しました。


社食から部に戻ると、仲間たちが待ち構えていました。私は、今聞いたばかりの話を
お披露目しました。みんな、もう、言いたい放題です。ザワザワの発生源です。
「U部長、スカした顔して、やるね~」
「二つの家族だって!うぷぷっ!大河ドラマみたい」
「なんか、偉そうな言いぐさだよね。別に、素晴らしいことでも何でもないのにね」
「よく言えるよね~。仕事ができるからってさ、何してもいいと思ってるのかな」
「秘書のHさんも、エグいよね~。略奪婚、しかもデキ婚だよ~」


そんな私たちの中に、お局様が加わってきました。そして、貫禄たっぷりに言いました。
お局様も、Cさん(既婚・子供あり)という部内の熟年男性と内緒の恋愛進行中です。
「U部長が、奥さんよりHさんを選んだ、ってだけの話じゃない。Hさん、良かったよね」
みんなは顔を見合わせ「さ、午後も頑張ろう」「仕事、仕事」と口々に言いながら、
そそくさと自分の席に戻っていきました。


二つの家族ねぇ・・・。山崎豊子っていうより、瀬戸内寂聴の世界だよね、うん。
そう納得して、午後の仕事に励んだくまくま🧸でした。

今日の甘いもの。くまくま🧸作、梅酒の実を使ったベイクド・チーズケーキ🧀
寒い夜に、ホット梅酒と一緒に食べれば、温まること間違いなし💓


くまくま🧸姉さん