くまくま姉さんのひとりごと 

バツイチ50代バブルの生き残りが、恋愛・結婚・離婚について語ります。悩める方も、そうでない方も、楽しんでいただけたら嬉しいです!

朝礼講話  ~私には二つの家族ができました~


私がOL時代に勤めていた会社は、9時からの始業でした。毎朝、9時ぴったりに部ごとの
朝礼が始まるので、9時5分前には朝礼の準備、1分前には所定の位置に整列するので、
始業ぎりぎりに駆け込み出社する社員なんてゼロでした。


その日は、朝礼後の社内が、何となくザワついていました。私の所属する部と同じフロアの、エレベーターホールを挟んだ向かい側のS部が、ザワザワの発生源のようでした。
「どうしたんだろうね」 同僚たちと顔を見合わせていましたが、お偉いさんたちからの
お達しも何もなく、しばらくするとザワザワも収まったので、いつもどおりにバタバタと
忙しく仕事をしていました。


そして、みんな大好きなランチタイムがやってきました。
社食でメニューを見ていたところ、A子に声を掛けられました。A子は、ちょっと前まで
同じ部にいた仲の良い同僚で、いまはS部に異動になっていました。
「くまくま🧸ちゃん、いいところに!!たまには一緒に食べようよ、ねっ!」
A子に誘われ、同じ部のランチ仲間に断って、A子とふたりで食べることになりました。


「ねえねえ、聞いてよ!今日の朝礼!すっごいことがあったんだよ!」
A子は、席に着くなり、すんごい勢いで話しだしました。
「うちの部のU部長、朝礼の最後に爆弾発言したの!『私事で恐縮ですが、このたび
 私には二つの家族ができました。再婚して、新しい家族ができました』だって!」
ぶほぉーっ!頼むから、口に入れてるときに、そんな話しないでよ!
私のことなんか、お構いなしに、A子はしゃべり続けます。
「新しい家族って、U部長の元秘書のHさんだって。お腹に赤ちゃん、いるらしいよ」
ぶほっぶほっぶぶーっ!


「しっかし、部長ともあろう人が、朝礼でそんなこというかねぇ」と、A子がいえば
「うん、ホントだよね。でも、あの噂、ホントだったんだね」と、私も頷きました。
「二つの家族って・・・山崎豊子じゃあるまいし」私がつぶやくと
「それ、祖国だから!二つの祖国ね」A子が突っ込みました。
「知ってるって!」私は笑って言い返しました。


社食から部に戻ると、仲間たちが待ち構えていました。私は、今聞いたばかりの話を
お披露目しました。みんな、もう、言いたい放題です。ザワザワの発生源です。
「U部長、スカした顔して、やるね~」
「二つの家族だって!うぷぷっ!大河ドラマみたい」
「なんか、偉そうな言いぐさだよね。別に、素晴らしいことでも何でもないのにね」
「よく言えるよね~。仕事ができるからってさ、何してもいいと思ってるのかな」
「秘書のHさんも、エグいよね~。略奪婚、しかもデキ婚だよ~」


そんな私たちの中に、お局様が加わってきました。そして、貫禄たっぷりに言いました。
お局様も、Cさん(既婚・子供あり)という部内の熟年男性と内緒の恋愛進行中です。
「U部長が、奥さんよりHさんを選んだ、ってだけの話じゃない。Hさん、良かったよね」
みんなは顔を見合わせ「さ、午後も頑張ろう」「仕事、仕事」と口々に言いながら、
そそくさと自分の席に戻っていきました。


二つの家族ねぇ・・・。山崎豊子っていうより、瀬戸内寂聴の世界だよね、うん。
そう納得して、午後の仕事に励んだくまくま🧸でした。

今日の甘いもの。くまくま🧸作、梅酒の実を使ったベイクド・チーズケーキ🧀
寒い夜に、ホット梅酒と一緒に食べれば、温まること間違いなし💓


くまくま🧸姉さん