くまくま姉さんのひとりごと 

バツイチ50代バブルの生き残りが、恋愛・結婚・離婚について語ります。悩める方も、そうでない方も、楽しんでいただけたら嬉しいです!

夫婦ゲンカ

今年も10月半ば。もうすぐ、OL時代に仲が良かったM先輩のお誕生日がやってきます。
同じ職場で働いていた時は、お互いの誕生日が近づくと、お祝いのお食事会をしたり、
プレゼントを渡したり。ふたりともイベント好きなこともあり、毎年盛大に祝い合って
いました。いまも、誕生日に届くようにバースデー・カードを送っています。今年は
どんなカードにしようか、ちょとした本やお菓子と一緒に送ろうか。


ある年の人事異動で、私はM先輩のいる部署に配属されました。M先輩は、美味しい
ものもワインも大好き、可愛いものも大好き、おしゃれも大好き。年齢もちかく、趣味や
好みも似ていたので、お互いにすぐに打ち解けました。また、仕事を通じて信頼関係も
育まれていたので、いろいろなことを本音で話せる仲になっていました。


その頃、私はアラサーで、周りもどんどん結婚し始めていました。能天気な私も、さすがに
いろいろ気になるお年頃でした。一方で、M先輩はバツイチ独身になったばかりでした。
ある日、私はちょっぴり気になっていたことを、すっきりさせるべく聞いてみました。
「先輩、どうして離婚しちゃったんですか?」


「くまくま🧸ちゃん、ストレートだね(笑)」
「はい。どうしてかな、って。素朴な疑問です。まだ若いのに、もうバツついてるんだ、
 なぜだろう、って。理由が気になって」


先輩は、ひと呼吸おいてから、そっと静かに教えてくれました。
「ケンカ」
「ケンカ?仁義なき戦い、みたいな?取っ組み合いとか、ののしり合いとか?
 大けがしたとか、させたとか?それとも、食器とか壊しまくったとか?」
私の問いに、先輩はプッと吹き出してから、首を振っていいました。
「そうじゃないの。彼とね、ケンカできなかったの。それが原因」
先輩は、遠い目をしていました。


少し間をおいてから、先輩はぽつぽつと語り始めました。
「とってもいい人だったんだけどね。思いやりもあるし、賢いし、お仕事もできる。
 器用で、何でもできてね、人望もあったと思う。ちゃんと話も聞いてくれてね」
「ふーん。じゃあ、ケンカする必要もないですよね」
私は、腑に落ちません。先輩は続けます。
「でもね、人間だから、一緒に暮らしていると、嫌なところも見えてくるし、イライラ
 したり、言い返したくなるときもあったよ。それこそ、ケンカになりそうなときも」
「じゃあ、どうしてケンカしなかったの?」
私は、小学生並みにしつこく聞きます。
「しなかったんじゃなくて、できなかったの。頭にきたり、カッとなるときはあっても、
どこか頭の中が冷静になっていて。きっと、彼には本音が言えていなかったんだと思う。
心を開いていなかったのかな。本当に、いい人だったんだけどね」
「いい人なのに?信頼していなかったの?できなかったの?どうして?」


「遠慮してたのかな。本当に心を許していなかったんだと思う。本心、言えなかった。
 ケンカ、できなかった。たぶんね、本当に好きじゃなかったんだろうね」
先輩は、ちょっぴり寂しそうにぽつりと言いました。そして、優しく笑って言いました。
「くまくま🧸ちゃんは、ちゃんとケンカできる人と結婚してね」


その後、M先輩は、ケンカばかりしていた彼氏と再婚しました。

今日の甘いもの。くまくま🧸作、ナッツとドライフルーツのタルト。
タルトって、レシピが無限な気がします(笑)ナッツとドライフルーツは、
ワインのおともにも、おやつにもなるし、非常食にもなるので常備しています😊


くまくま🧸姉さん